カクタス・コミュニケーションズ | 研究の国際化を支援 - 英文校正、論文翻訳、テープ起こし

  • HOME
  • ブログ
  • 会社の成長を決めるのは「能力」か「志」か?

BLOGブログ

会社の成長を決めるのは「能力」か「志」か? makotosfact2

6月末恒例のQ1(第一四半期)総括を行いにインド本社へ出張に来ており、今晩日本へ帰国します。週末なので1日やる事がないという日本ではあり得ない贅沢な時間を使い、ブログ記事を書いています。今週はW杯のポーランド戦があり日本では賛否両論出ていますが、私は何も問題ない戦略なのかなと思いました。事前の評判ではボコボコの3連敗を予測していた当事者でもあるので、決勝ラウンドまで行った事自体が奇跡で、そこまでの辿り着き方に文句をつけるのは少し注文が多すぎると思います。

いつもW杯で話題になるのがこの最初の予選ラウンドを勝ち抜くかどうかですが、今の日本代表で昔から毎回「やるからには優勝を目指す」「最低でもベスト4」と発言されている選手がいますよね?そうそう、本田選手。

残念ながらそこまで行くのはないかなと思いますが、彼の大口叩きは見ていて面白いです。これはスポーツだとすごく違和感を感じる方がいると思いますが、ビジネスではしょっちゅう聞く話です。創業して間もないソフトバンクで孫さんが「俺はいつかこの会社を兆単位の売上にしてやる」と言って呆れた従業員が辞めたのは有名な話です。今でも成長を続けているユニクロの柳井さんも5兆円の売上にすると話されています。我々一般人からすると「そんなの無理に決まっているだろ。一体どうやって実現するんだよ」と先にHOWに焦点を当ててしまいます。同じように「サッカー後進国の日本がどうやって優勝するんだよ?」先に現実を考えてしまいますよね!?

今回このトピックを書こうと思ったきっかけは、インド本社の社長であるアビシェック・ゴエルと一昨日二人でランチミーティングをしていた際にした話題が自分の心に残ったからです。

カクタスグループは現在全世界で700名近くのスタッフを抱えています。創業は2002年で現在16年目です。創業間もない2003年に私はインターンでこのインド本社で働く事になったのですが、その当時は20代前半の若者10名弱でおんぼろの工場から電話回線でネットを使い、停電週1回は当たり前の状況でした。そこから皆で必死に仕事をして、当時ではだいぶグレードのアップした、いわゆる普通のオフィスに移転しました。これが2004年終わりの出来事でした。その時はまだまだ小さいオフィスでしたが、工場からオフィスに格上げされたようで凄く嬉しかったのを今でも鮮明に覚えています。

社員が年々増え続けるのに合わせてオフィスビルの他の部屋をちょこちょこ借りながらなんとか凌いできましたが、とうとう限界が来て、遂に今年新オフィスに移転することになりました。今回のインド訪問がちょうど移転と重なりバタバタでしたが、その合間にアビシェックと二人でランチをしながら過去の話にふけっていました。2フロアで1500坪以上で毎月の家賃も馬鹿になりません。家具から会議室のセットアップなど、かなりの金額を投資しました。

アビシェック曰く、「今回のオフィス移転は今の我々にとって必要な事だった。1フロアに全ての部署が集まる事により無駄がなくなる。また中堅企業らしいサイズのオフィスになり、従業員も会社に対してプライドを持つことが出来る」と、更に「家賃も高いし、海外人材への給料もインドに比べて数倍高い。しかし会社は成長していくし、それを支えるインフラと人材がいるから大丈夫」と。

と同時に、「今成長出来ているから現状維持でいいとか、日本のアカデミアが下降気味だから現状維持で中国に行こうとかは考えないでほしい。日本にもまだまだビジネスチャンスは絶対にあるはず。今はまだ顕在化されていないマーケットを何としても開拓してほしい。いつ何時でも成長する事を忘れないで」と言われました。

彼のその言葉に、私は今日本で大きな成長を遂げ、新しいマーケットを確立したZOZOTOWNの例を話しました。ZOZOTOWNは「ZOZOスーツ」を開発し、オンラインショッピングの一番のペインポイントであるサイズの問題を解消することで、実店舗となんら違いがないオンラインショップを目指している。そしてその社長はとんでもないビジョンの持ち主で、攻めに攻めている、と。実は、ZOZOTOWNの前澤社長は私の地元の中学の輩で、うちの兄の友人でもあったので、私も中学時代の彼を知っていました。抜群に頭が良く、実に変わったユニークな人でした。人懐っこくて素直で愛嬌があったけど、同時に人と同じ事をしない。この人は将来はなにか特別な事をする人になるのだろうなー、と漠然と感じていました。レコードの通販会社を興した時にどのような志を持っていたかわかりませんが、ここまでの成長は彼の「能力」も多分にあったと思う一方、やはり重要なのは「志」の高さだったのではないかと思います。今の企業の姿にどう辿り着くかの「HOW」は、その成長の志を持った社員全員で考え、試行錯誤した結果なのだと思います。

ソフトバンクの孫さんも、翻訳ソフトを売っていた頃は今ほどの能力はなかったと思いますが、高い志を持ち、常に上を上を目指した結果、今のソフトバンクがあるのだと思います。ユニクロ、楽天など、いわゆるここ数十年の新興企業の共通点は、ものすごく高い「志」を持ったカリスマ経営者が、すごい勢いで会社を牽引して成功していることです。私は多国籍の社員と仕事をしているのでよくわかるのですが、日本人はリーダーシップは苦手な一方で、強いリーダーがいて明確なビジョンを打ち出した時には社員が一丸となって猛進します。日本のビジネスが衰退している原因は、経済だったり、高齢化社会だったりと、あげればきりがありませんが、同じ環境に置かれていても、飛躍的に成長している企業がたくさん存在しているのも事実なのです。

今挙げたような有名企業とカクタスを比較するのは大変おこがましいですが、アビシェックに「私の昇給にとんでもなく高い志を持っている妻に普段から『柳井さん、孫さん、前澤君が何十億も稼いでいるんだから、あなたもそれくらいを目標に仕事をしなさい!』って言われているんだ(笑)」と言うと、彼は笑いながらも「いや、いいことだと思う。本気でその位の志を持って仕事をして、皆で今の何十倍、何百倍の会社にしよう」と言いました。カクタスはまだまだ中小企業に域を出た程度の小規模会社ですが、彼と話しながら「自分が還暦を迎える20年後には、カクタスはそれなりの規模になるに違いない」と思いました。

ただし、企業が成長し続けるための必要不可欠な条件は、常に経営者が高い志を持ち、それをしっかりわかりやくすスタッフ全員に伝えていく事です。経営者のリーダーシップがなければ、どれだけ能力の高い天才集団の社員を雇っていたとしても、企業の成長はそれなりの規模で止まると思います。

「成長なくば去れ – Change or die – 」はユニクロ柳井さんがよく口にする言葉ですが、まさにその通り!!!・・・なんてカッコつけて書きながらも、私自身仕事で悩むことはしばしばあるので、その時はこのブログを読んで自分を鼓舞したいと思います。

追伸:この記事はベルギーとの対戦前に書いていますが、もし日本が勝利して、次のブラジル(恐らく)にも勝利してベスト4になれば、本田選手の発言は大口ではなく、高い「志」の結果になりますね。頑張れニッポン。

この記事を書いた人

関連リンク

湯浅 誠

カクタス・コミュニケーションズ株式会社、代表取締役。1978年千葉県生まれ。大学を卒業後に渡英。その後インドに渡り、Cactus Communicationsに就業。現在は日本法人であるカクタス・コミュニケーションズ株式会社の代表取締役を務める。

READ MORE